ミサのご案内

ミサとは何でしょうか

マリアそもそもミサとは何なのでしょうか。
お祈り?冠婚葬祭の儀式?
確かに、一度出席してみるまではなかなか分かりにくいと思います。

歴史を遡れば、皆様もご存じの「最後の晩餐」。これがミサの始まりです。
最後の晩餐において、キリストはパンをとり、「これはあなたがたのために渡される私のからだである」と言い、またぶどう酒の入った杯をとり、「これは私の血の杯、あなたがたのために流される新しい契約の血である」と言って、「これを私の記念として行いなさい」と弟子たちに命じました。

カトリック教会は、以来一貫してこの教えを守り、「ミサ」を行っています。
ミサにおいてこの最後の晩餐を再現し、キリストのからだである「パン」(聖体)をミサの中で拝領するのです。

高橋正平「レクイエム・ハンドブック」(ショパン)7頁には、「『ミサ』とは、「キリストの体と血」とされたパンとぶどう酒を共に食し、共に飲むことによって信者のひとりひとりがキリストの体につらなり、ひとつの共同体として交わりの中に入れられていることを確認する儀式です。キリストはひとつですから、この共同体も、時と場所を越えてひとつです。・・(中略)・・この交わりは死によっても妨げられることはありません。それゆえ、初代のキリスト教徒は信者が亡くなったときにも死によって失われることのない永遠の交わりを感謝して『ミサ』の祭りをささげました」とあります。これは非常に優れた定義であり、ここにミサの本質が的確に表現されています。

「ミサ」は、カトリックにおいては、最重要の典礼儀式です。
プロテスタント諸派では、「ミサ」とは言わず、聖餐(せいさん)式などと呼ばれています。

ミサは大きく分けて、聖書のことばを聴く「ことばの典礼」、キリストの最後の晩餐と復活を記念する「感謝の典礼」に分けられます。
キリストの復活を信じるキリスト者は、ミサを通して家族として共に集まり、キリストのからだを受けることで、日々の信仰生活の糧としているのです。

もちろん、カトリック信者でなくても、ミサに参加し、共に聖書のことばを聴き、キリストのもとで祈ることは誰でもできます。ただし、キリストのからだである「パン」を拝領すること(聖体拝領)は、カトリックの洗礼を受けた信者のみに許されています。

なお、ミサ(missa)というのは、ラテン語です(英語では“mass”〔=マス〕です)。
ミサの終わりに司祭が言う言葉“Ite, missa est”から由来するとされており、この中の“missa”が信徒の耳に残り、「ミサ」という名称になったと言われています。
“Ite, missa est”は、直訳すれば、「行きなさい、これで散会(終わり)です」という意味とされています。

ちなみに、英語の「Christmas」(クリスマス)は、「christ(キリスト)のmass(ミサ)」、つまり、「キリストのミサ」が語源です。こんなところにも「ミサ」という言葉が使われているんですね。

ミサについて、詳しくは、「ミサの式次第(PDF)」をご覧ください。